2012年12月25日火曜日

山陽本線昼景色ノート

鉄旅の備忘録より


1~9は12月26日「東海道本線昼景色」の続き。10~は翌日27日の記録。
  1. 線路上の戸籍とは別に新快速は何事もなかったかのように神戸駅を出発する。東北縦貫線が開通すれば、東北線と東海道線が直通するが、東京駅を通過するときに特別な感動があろう筈もない。それと同じ。でも、東京から来た身にはついに来たなあという思いはある。ただ、ここから山陽本線が始まるにしては、ここ始発の列車がないだけにちょっとあっけない感じはある。
  2. 明石海峡大橋、明石の天文台?
  3. 途中で徐行
  4. 姫路で乗り換え。DC特急のあとすぐ。
  5. 網干、相生から赤穂線へ。夕暮れ迫り、播州赤穂。乗り換え。
  6. 瀬戸内海が少し見えるがすぐに日没。
  7. 大多羅、岡山着。
  8. すぐにチェックイン。福寿司で、生ビール、酢の物、冷酒、特上ままかり寿司。
  9. 岡山電気軌道でまず東山、戻ってから清輝橋、戻って宿へ。
  10. 5時起床。5:50発。
  11. 尾道はまるでジオラマのような風景。狭い海峡にびっしりと町が広がり、中腹をうねるように山陽線。上をしまなみハイウェイの橋が架かる。冷え込んだ朝、海水温の方が高いため海からは霧が湧き起こる。幻想的な風景。
  12. 糸崎で乗り換え。何と味気ない103系ロングシート。三原は新幹線も停まるちょっと大きめの町。高架線上に駅。ここで新幹線と山陽線は真っ直ぐ山に向かってトンネルに吸い込まれていく。呉線は大きく左にカーブを切り、徐々に高度を下げて渡河、正面の山を回り込むように左カーブを切るものだから、とうとう山陽線と平行に東へ向かい、小さな半島の縁を再び180度右に進路を変えて西に向かう。この間、瀬戸内海に沿って電車は走り、遠くにしまなみの橋を見届けながら、風光明媚な景色が楽しめる。日の出の太陽が徐々に高度を上げるなか、
    呉線車窓 海霧の夜明け
    海面からは沢山の霧が湧き起こる。それがオレンジから金色に輝いて美しい。
  13. 瀬戸内海の風景を堪能するには、頭の切り替えが必要である。箱庭のような美しい風景の土地には、沢山の人が昔から住んでいる。盛んなのは海運と造船業。近代日本の牽引車だ。そして海運はコンビナートを発達させている。大規模な火力発電所。これらがすべて美しい風景の中にある。工場群は美しくない。しかも巨大な煙突からは、浄化処理された白い煙とはいえ、もくもくと大気中に放出されている。ところどころで工場地帯は途切れる。いきなり美しい島と海岸が現れる。しばらく行くと集落が現れ、また工場地帯。
  14. 呉線が走る所は特に近代日本の先進工業が発達した所。戦前は、軍艦は勿論のこと零戦を始めとする戦闘機の生産一大拠点であった。工場労働者ばかりでなく、先端技術者が多く集まり、日本の頭脳集団が暮らしていた場所なのである。その伝統は今も受け継がれている。巨大な造船所の回りには、そこで働く人達が乗ってきた自家用車がびっしりと取り囲んでいる。
  15. 呉は、造船と自衛隊の街。だから呉線は単なるローカル線ではないのだ。赤穂線と同様、このあたりの山陽線の方がローカルなのである。
  16. 大和ミュージアム、鋼鉄の鯨。見所多し。江田島の向こうに厳島が見えることを教わる。
  17. 呉から広島までは、快速安芸路ライナー。途中列車交換があるので、それほど速いわけではない。運転席にはモニターがあり、次停車とか表示される。驚いたのは、速度制限がでたり、急カーブ表示があること。福知山線事故の反省からであろう。JR西日本は、制限速度一杯に運転しているので、必須の装備と感じた。ここの海がまた綺麗だ。広島は海が綺麗だ。だからこそ牡蠣が美味しいのだろう。
  18. 広島から宮島口を通って大野浦まで。次は岩国まで。
  19. 岩国から新山口まで。ここは周防大島の橋が見所。以前、見たことがある。たぶん、みずほで長崎に行った時だ。大学生の時。思い出に残るのと全く同じ橋が現れた。記憶は確かだ。このあたりも風光明媚。光を過ぎ下松からは海とお別れ。山側の席に移る。
    大畠瀬戸にかかる大島大橋
  20. 防府は趣のある町。山が西日に当たって美しい。山は石灰岩質、秋芳洞にも近く、またこの先はセメント工業の盛んな所だ。
  21. 新山口はかつて小郡と言った。かつてホームに立ったことがあるが、風景に記憶はない。乗り換え。
  22. いよいよ本州の端は近い。起伏の激しい所で小さな峠をいくつも越える。路線は地形に逆らわないようにくねくねと曲がる。海からは遠い。
  23. 幡生で非電化の山陰線が合流する。複線の山陽本線の間を下から這い上がってくる。下関駅に近づくと右側から海が近づく。これは下関漁港・下関湾であって、関門海峡ではない。
  24. 本州の果て、下関駅はエキゾチックで重厚な駅である。いにしえの繁栄を彷彿とさせるかのように、長大で広々としたホームには、どっしりとした屋根が被さっている。柱はレールを用いた鋼鉄製だ。今、ここに停車する長大編成の長距離列車は残念ながらない。山陽本線はこの先門司が終点だが、JR西日本はここまでで、最後の一駅まではJR九州となる。夕暮れ迫る関門海峡を通り、今回の旅の終点小倉に向かった。
  25. 小倉から東京に戻る。残念ながら直通の寝台特急はない。今の時間、のぞみならそのまま深夜に東京に着く。それでは面白くない。今回採った方法は、山陽本線昼景色区間は、JR九州のさくらで、その先はサンライズ瀬戸で優雅に帰るというものだ。さくらの停車駅は小倉、徳山、広島、福山、岡山。ビールとかしわ飯弁当で夕食。さすがJR九州車両、指定席はグリーン並みの横4列。肘掛けやテーブルに木をふんだんに使っている豪華仕様で実に快適。通路ドア上のLED表示も大きく見やすい。山陽新幹線を利用するときは、新大阪で乗り換えよう。
  26. 岡山からはマリンライナーで高松へ。ここは青春18が使える。20分の待ち合わせで、サンライズ瀬戸は出発。

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