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2017年4月5日水曜日

今も現役の軽便鉄道、三岐鉄道北勢線

 昭和30年代以降、日本中から次々と姿を消した軌間762㎜の軽便鉄道。三重県には今も二つの会社3路線が残っている。その一つが、三岐鉄道北勢線だ。
 近鉄・JRの桑名駅から少し歩くと、遊園地で見るようなかわいらしい線路に出会える。ここが西桑名駅だ。終点阿下喜まで20.4㎞、ローカル線の旅が始まる。

西桑名駅

 ホームに停まっていた黄色い電車は、近鉄時代に造られた270系と呼ばれるタイプ。車幅は狭いけれど、縦長の顔で、載ってみると意外に広い。というのも天井が高く、車長も15mあって、なかなか本格的な通勤電車だ。

阿下喜行
 それでもいったん走り出すと、車体は小刻みに激しく揺れ、モーターが豪快な音を響かせる。旧式な吊り掛け駆動だ。年配の人には懐かしい電車だろう。4両編成でありながら、ワンマン運転。乗り心地としては、都電の荒川線に似ている。保線の悪い(失礼!)専用軌道を突っ走る感じ。

東員駅にて

東員駅で、向こうからやって来たのは同じ270系。車体に比べてやたらとパンタグラフが大きい。改めてサイズが小さい軽便鉄道なのだなと痛感する。

大泉駅にて

 続いて大泉駅で擦れ違ったのは、200系電車。三重交通時代に造られた旧4400形だから旧タイプの電車である。湘南電車型の瀟洒なデザインで、かまぼこ形の270系とはひと味違う。

終点阿下喜

 北勢線は員弁川(いなべがわ)沿いの田園地帯を鈴鹿山脈に向かって進む路線で、比較的住宅が多いものの、沿線に大きな町はない。何度も経営母体が変わり、多くのローカル線を抱えた近鉄からも見放されて、今は地元自治体の援助の下に、三岐鉄道が経営している。この先、車両の交換時期が来たとき、存続できるかどうかの正念場となろう。中古の軽便鉄道用車両など、どこにもないからだ。 
 終点阿下喜は、駅前周辺も含めて綺麗に整備された駅だ。隣接して、軽便鉄道博物館があるが、平日のため閉館。かつて遣われたターンテーブルや近鉄時代の塗装を身に纏った220系電車があった。これはもともと戦前の車両で、整備復元されたもの。

モニ226の塗装は近鉄時代のもの

(2017/4/5乗車)

【付記】
 沿線風景で印象的なのは、次第に近づいてくる藤原岳。石灰岩の山だ。三岐鉄道三岐線は、ここの石灰岩輸送を目的とした貨物輸送のために建設された鉄道である。当初北勢線を延長して石灰を運ぼうという計画もあったようだが、間を流れる員弁川とその先の河岸段丘に阻まれて断念し、そのかわりに三岐線は建設されたという。今も石灰岩を載せた貨物列車が三岐線を走る。北勢線は、その三岐鉄道に吸収されたという歴史がある。

藤原岳の麓に広がる濃い緑が員弁川の河岸段丘。
その大地の上に、太平洋セメント藤原工場があり
その一角に三岐鉄道の東藤原駅がある。    
(阿下喜駅付近からの景観)

2016年8月24日水曜日

高松琴平電気鉄道


路線図
琴平線(高松築港〜琴電琴平)32.9㎞

 ことでん3路線の中で本線格なのが琴平線。もともとは瓦町が起点だったが、現在はJR高松駅やフェリーの高松港が間近な高松築港が玄関口になっている。

高松築港駅にて
玉藻公園の脇に起点高松築港駅がある。ここは琴平線
(ラインカラー、黄)と長尾線(同、青緑)の始発駅。
JR高松駅からは約300m、乗り換えはやや不便だが、
フェリーとのアクセスが良い。          
高松城(玉藻城)艮櫓と琴平線電車
この城は堀には海水が導かれている海城。松平氏の居
城。貫通扉上のヘッドライト2灯、パノラミックウィ
ンドウは京王の名車5000形で、現在は1100形電車を名
乗る。                     

片原町に進入する琴平線電車
1200形電車。旧京浜急行700形

檀紙富士(六ッ目山)に向かって走る。
一宮駅で高松築港行が待っている。

終点の琴電琴平まで32.9㎞を60分ちょうど。30分間隔。
JRは62〜3分でほぼ互角、朝の上り、夕方の下りに快速
があり、こちらは50分を切る。ほぼ1時間おき。   

長尾線(瓦町〜長尾)14.6㎞
 
 高松築港を起点とする長尾線だが、古くは瓦町から出発していた。車両が琴平線と同じ18m車であることから、高松築港を起点とするようになった。終点長尾は四国八十七番札所長尾寺がある。

長尾線 平木駅にて 長尾方面を望む
電車は琴平線と同じ1200形。どちらも18m

 
長尾線 平木駅にて 高松築港方面を望む
長尾線には車両区がないため、様々な駅の
留置線に停められている。       
 
白山(讃岐七富士の一つ)の山麓を廻って終点へ。
讃岐平野を特徴付ける円錐状の山々。それらは通称
おにぎり山ともいわれている。中央部はマグマが冷
えて出来た安山岩、周囲は深層岩である花崗岩から
なる。                    

志度線(瓦町〜琴電志度)12.5㎞

カーブが多く駅間も短いため、唯一16m車が導入されている志度線。テーブルマウンテン状の屋島、それと対照的なごつごつした五剣山、穏やかな瀬戸内海、そしてエレキテルの平賀源内等々、観光資源と変化に富んだ路線だ。

六万寺 600形は元名古屋市営
地下鉄250形。貫通扉と行き先表示
が左に寄っているのが特徴。   

車窓風景が最も変化に富んだ志度線
光にあふれた瀬戸内海が美しい。 

700形電車は元名古屋市営地下鉄300形。志度線の
電車はすべて16m車である。         

(2016/8/24,28乗車)

 


2014年4月1日火曜日

松本電気鉄道上高地線



3000系電車

JR松本車両センターの脇をかすめるようにして
ゆっくりと京王電鉄払い下げの電車がやってきた

松本駅7番線ホーム 新島々行

このホームの先6番線は、大糸線各駅停車専用ホーム
となっている。大糸線利用者は松本電鉄の前を通って
乗車する。JRとの間に改札はない。       

終点新島々まではおよそ30分

上高地の玄関口である。駅前にバスターミナルがあり
ここから上高地や乗鞍へはバスが接続している。乗車
した日は夕暮れ時で、西日に照らされた乗鞍岳が真っ
白に輝いていたが、逆光のため残念ながら撮影出来な
かった。                    
 
今はなき島々への鉄路

1983年台風で土砂崩れがあり、1.3キロが廃止
となってしまった。              

新島々から松本方面を眺める

渕東駅

新島々から一つ目の駅。エンドウと読む。ローカル
私鉄らしいいい雰囲気の駅だ。難読駅といえる。ち
なみに上高地線にはアニメのイメージキャラクター
がいて、その美少女の名前を渕東なぎさという。姓
も名もどちらも駅名である。ちなみに当管理人はそ
の方面には関心はないが参考までに。      


新村駅

全線ではやや松本よりにあるが、おおよそ中間点
で、列車交換が行われる。また、左側に上高地線
の車両基地が併設されている。        

交換列車 なぎさTRAIN


松本平と美ヶ原(正面の山)

なだらかな傾斜の中、ゆっくりと松本市街に向かって
下っていく。野麦街道に沿ってコトコト走るローカル
私鉄は、観光用というより沿線住民の足という性格が
強い。                     

(2014/4/1乗車)