ぐるっと紀伊半島ひとめぐり 旅のノート
この旅を通して、参宮線・阪和線・紀勢本線・伊勢鉄道・関西本線を乗り尽くした。特に紀伊半島を一巡りした4月2日の旅は、「ぐるっと紀伊半島ひとめぐり」として掲載した。このノートはその前日の行動を記したものである。
- 2015年度初日のエイプリルフール。曇天、風はなく寒さを感じるほどでもない。東京の桜は既に満開。東京6時16分発のぞみ3号博多行、14号車10E席。東京からの乗客はまばら。品川が出来てわざわざ始発駅から乗る人はめっきり減った。東京駅構内の「駅弁屋 祭」で購入した丸政のカツサンドはねっとり感が足らず残念。静岡に入ると黒雲たれ込め雨模様となる。
- 名古屋8時10分発近鉄特急賢島行、名伊特急22000系に乗車。6号車8D席。木曽川・揖斐川(いびがわ)の大河を2つ渡る。「その手は桑名の焼き蛤」まで18分、三岐鉄道北勢線の乗換駅。近鉄から引き継いだ軌間762㎜のナローゲージ。近鉄富田からは三岐鉄道三岐線。これがナローゲージかと思ったが、こちらは狭軌。近鉄の広軌と比べるととても狭く感じる。
- 四日市からは湯の山温泉、あすなろ鉄道乗換。高架の大きな駅、例えば吉祥寺のようなところ。白子の手前で分岐したのは何線?高速通過で駅名わからず。〈伊勢若松駅かから分岐する近鉄鈴鹿線〉 白子はしろこと読む。中川行各停に接続、結構乗車。今にも振り出しそうな空模様。
- 快速みえ?と併走。あちらはいつの間にか非電化。間もなく津。JRの方は鄙びている。あちらは特急かも。<名古屋8時05分発の特急ワイドビュー南紀南紀1号だった。伊勢鉄道の高架区間を快走中で、こちらが津を9時ちょうどに発つ際に、あとから到着していた>
中川連絡線は単線。名阪特急は伊勢
中川でスイッチバックすることなく
通過可能。 - 中川が近づくと田園風景が広がる。連絡線が見えれば伊勢中川。ホーム反対側に賢島発難波行の阪伊特急、接続の素晴らしさに惚れ惚れする。
- 松坂はまつざかではない。濁らなかった。
- 伊勢市、伊勢神宮外宮はこちら。非電化のJRには広大な引き込み線、いにしえの殷賑が偲ばれる。宇治山田、五十鈴川と各駅に停まる。殆どの人は中川で難波行に乗り換えたので車内は私一人。五十鈴川で暫く停車するのはひょっとしてここから単線?そんなことはなかった。町はここで尽き、山と海の風景に変わる。
近鉄鳥羽駅。ここの番線は変わって
いる。右から3456と続き、更に左に
JRが右から021となっている。
22000系のテールランプ右が赤く点
灯している理由は不明。開いたドア
と連動しているのだろうか。 - 先頭車両,運転席の後ろからの眺めはあまり良くない。
- JRとの乗り換えは跨線橋で結ばれていて改札口もなくスムース。ただし、新しく明るい近鉄のホームに対して、JR参宮線の終着駅ホームは古色蒼然としている。
- 鳥羽からは単線非電化の参宮線。快速みえ名古屋行、キハ75 102。2両編成。1両の中に快速でありながら24席分の指定席ゾーンがある。名古屋までのほとんどの区間は単線であり、河原田で関西本線に入るまでは非電化ということもあって、近鉄特急とは競合しないと思いきや、特急料金がいらないこともあって近鉄よりも安く名古屋に行ける。名古屋まで近鉄特急は1時間40分、3,030円。快速みえは2時間ちょっとで2,450円。
鳥羽駅1番線ホームは切り欠き型の
行き止まりホーム。
キハ75快速みえ名古屋行。 - 鳥羽を出ると近鉄線より海側を通るので、ローカル色たっぷりで景色が楽しめる。海は凪いで海苔いかだが浮かんでいる。あいかわらずの曇天で視界は悪く出来の悪い水墨画を観ているようだ。この列車、近鉄よりも鈍足だが、伊勢市からも結構乗って来る。まずまずの人気振りだ。
- 多気までが参宮線で、ここは紀勢線の乗換駅。ここから津までは明日も通る。松坂で5分停車。たくさんの人が乗車、それでもクロスシートの隣には誰も座らない。申し訳ないなあ。下りの快速みえと待ち合わせ。あちらは4両。
- 快速みえは津から伊勢鉄道に入る。明日特急南紀で行くので、私は紀勢本線を乗り尽くすために、明日は通らない津・亀山間に乗るために、ここで各駅停車の待ち合わせをする。津駅も鳥羽駅同様に跨線橋で近鉄と結ばれている。どちらも乗降客の多い近鉄に改札業務の委託をおこなっているのだろう。近鉄側のコンコースには売店とパン屋がある。売店でビールを、パン屋で松阪牛カレーパンとウィンナークロワッサンを購入。ここではサービスでコーヒーが付いてきた。これは良いサービスだ。JRホームの閑散とした待合室で昼食をとる。雨は蕭々と降っているが、気分は最高。
キハ11 2 JR東海のローカル線用
気動車 亀山駅にて - 津からの紀勢線は鄙びた里山を巡る雰囲気路線だ。桜や菜の花、赤いのは桃だろうか。入母屋造りの農家の軒先に美しく咲いている。雨は降り止まない。
- 亀山の駅にディーゼルのアイドリング音が響く。12時のサイレン。にわかに雨音が駅舎の屋根を激しく打ち始める。亀山で昼食にしなくて良かった。切符は下車前途無効、駅に売店なし。
- ここは今では過剰な設備の超立派な国鉄駅。1番線中央には改札口。機回し線を挟んでホームが二本あり、2番線から5番線まである。長いホームに最長でも4両編成がちょこんと停車する程度。
- 関西線乗り尽くしのために、名古屋行普通電車に乗って、伊勢鉄道との分岐駅河原田までを往復する。乗車した電車はクハ312 1309。
クハ313系 JR東海の近郊系直流
電車 亀山駅にて - 河原田で下車した際、これは失敗かと思った。伊勢鉄道と合流するポイントは河原田駅の先にあるようで、伊勢鉄道の河原田駅とは津軽当別のように段差があったからだ。しかし、一駅先まで行くと1時間のロスとなる。記憶によれば確か伊勢鉄道は河原田までのはずと、イチかバチかで飛び降りた。車内アナウンスによれば、伊勢鉄道乗り換えはやはりこの駅なのである。降りた後地図で確認すると、やはり伊勢鉄道はここまでだった。この先は明日の乗車となる。ホッとしながらすぐ来た亀山行に乗る。今度の電車はクハ312 1331。
キハ120形 JR西日本のローカル線用
小型気動車 亀山駅にて - 関西本線は名古屋から亀山までがJR東海で全線電化、亀山からはJR西日本となり非電化となる。使用されている車両は、JR西日本がローカル線用に開発した小振りの気動車キハ120系である。JRの乗り継ぎは利用者の不便を強いる場合が多く、ここでもわざわざ跨線橋を渡らなければならない。近鉄を見習って欲しいものだ。
- キハ120 8。40人ほどが乗車し混雑するが、次の関・加太で下車する人が多数いて、ロングシートに全員座れるほどになった。それにしても景色を背にしながら乗るのは楽しくない。柘植は草津線乗換駅。あちらは電化。遅れの草津線を待って出発。
- 左手丘の上にお城が見えて伊賀上野。忍者好きの外国人バックパッカー多数乗車。外国人観光客はこんなところまで来るのかと思うが、考えてみれば自分だって日本の忍者を知っていたら来るに違いないと納得する。伊賀鉄道乗り換え駅。伊賀鉄道の終点、伊賀神戸で近鉄の普通電車から特急に乗り換えたことを思い出す。ここはまた訪れることになるだろう。
- 天気は優れないが、笠置手前は渓谷美、桜も見事。山が開けて終点加茂。非電化はここまでで、この先は大和路快速に乗り換える。
- 木津で奈良線・片町線と合流する。ここからは複線区間となる。
- 高架になった奈良駅に初めて来る。かつて仕事で停まったことのある国道369号線沿いのビジネスホテル・アジールが見える。旧奈良駅駅舎も。桜井線も高架に繋がった。
- 法隆寺から天王寺までは未乗区間。王子から柏原まではちょっとした渓谷になっている大和川沿いを走る。その後は街中を走って天王寺へ。この快速は大阪行のため、新今宮で降りて、後から来る王子発JR難波行の各駅停車を待つ。
- 関西本線の終点は、今宮で大阪環状線と分かれて一つ目のJR難波である。なんの変哲もない地下駅。階段を上がるとなんばウォークと呼ばれる地下街。そこを1㎞ほど歩いて南海電鉄の難波駅を目指す。難波駅は関東の感覚では推し量れない大ターミナル。線路数8本もある櫛形の終端駅。ここから羽衣まで行き、阪和線の羽衣線に乗車する。
(2015/4/1乗車)
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