2022年7月11日月曜日

フィナーレが近づいている


 
乗り尽くしの旅の終着駅をどこにするか。


 全線走破、それは私の人生にとって一大イベントだから、フィナーレにふさわしい駅で締めくくりたい。まず候補に思い浮かんだのは、ようやく東日本大震災から復旧した常磐線の駒ヶ嶺駅か浜吉田駅だ。津波で失われた区間が新たに路線変更となって未乗区間になっていた。ただ欲張りな性分で、同時に復旧した、今では珍しい在来線長距離特急「ひたち」を上野から仙台まで乗り通したい。車窓大好き人間とはそういうものなのだ。ただ、特急はどちらの駅も通過してしまう。悩んでいるうちに各地で短いながらも新線が開業し、グズグズしているうちにコロナ禍が襲ってきてしまった。


てだこ浦西駅にて

 2020年の2月、東京では品薄のマスクが沖縄にはあると聞いて、ゆいレールの新線区間、首里・てだこ浦西間4.1㎞を乗りに行く。確かにホテルでは無料でマスクを配っていて、沖縄の心暖かさにホッとする思いで新線区間を乗り通し、消失した首里城を歩いては火事場の匂いと無残な光景に心を痛めた。このあと、非常事態宣言と共に長い自粛生活は始まる。


 2021年11月、コロナが小康状態になったので、仙台と横浜を訪れる。やはり特急「ひたち」の魅力には勝てなかったのだが、九州こそ終着駅にふさわしいと思い始めたからでもある。これで常磐線の付替区間、相模鉄道とJRの直通線、金沢シーサイドラインの金沢八景駅移転に伴う延長区間に乗ることができた。残るは、富山と九州の3路線、のはずだった。



 カウントダウン目前に!?


 コロナ新規感染者数が低い数値で安定し始めた6月1日、旅に出るなら今がチャンスとばかりに最終ゴール日を決め、九州旅行の実行日を7月5日〜8日に定めて、早速往復の早割航空券とホテルの予約を済ませた。それまでの間に富山地方鉄道の市内電車に乗っておかなければならなかったが、何せ折紙付きの雨男、少しでも天気の良い日にしようと様子を伺っていた。


 乗り尽くしを始めて17年になる。この間の記録はすべてWeb上の「乗りつぶしオンライン」で管理している。乗車区間・乗車キロ・日付・コメント等が記録できる優れもので、廃線区間乗車の記録や登録者間での順位までわかる、いわゆる「乗り鉄」にとってバイブルのような存在だ。私は時々チェックしながら旅の計画を立てている。富山行きがなかなか決まらず、ゴール期限が迫る6月中旬のある日、乗車達成率が合わないことに気付いた。何で今更?


 完全乗車したかどうかなど、すべては自己申告制である。嘘をついて人に自慢してもしかたがないことであり、自己満足の世界だからこそ、数値の齟齬は致命的だ。乗車したはずの路線で見落としがあったのか。そんなはずはないと思いつつ、記録を見直して見ると私鉄編で原因が見つかった。6年前に乗車したはずの阿佐海岸鉄道が、いつの間にか100%乗車済みではなくなっていたのだ。

 完乗達成まで3週間を切ったところで、残り4路線に増えていた。


(2020/2/18  沖縄ゆいレール首里・てだこ浦西乗車)

(2021/11/28 常磐線駒ヶ嶺・浜吉田乗車)

(2021/11/30 東海道線鶴見・羽沢横浜国大乗車)

(2021/11/30 相模鉄道JR直通線は安房横浜国大・西谷乗車)

(2021/11/30 横浜シーサイドライン金沢シーサイドライン旧金沢八景・金沢八景乗車)

 

(2022/6/18記す)


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