2016年8月3日水曜日

雨のケルン


ホーエンツォレルン橋周辺

 ケルン大聖堂のてっぺんまで登ると、ライン川に架かるホーエンツォレルン橋をひっきりなしに行き来するドイツ鉄道を眺めることができる。右から二階建ての快速列車レギオナル・エクスプレス(RE)。電気機関車に押されてこれから橋を渡ろうとしている。中央がドイツ新幹線。ICE1とICE2の混合編成がやってきた。左から2両目、窓がほとんど無いのは電気機関車で、編成の前後に電気機関車をつけた動力集中型のICE1。3両目は制御室付の客車でICE2、こちらも動力集中型だが機関車は橋に隠れて見えていない。左が普通列車レギオナル・バーン(RB)。
ドイツでもっとも鉄道が行き交う  
ホーエンツォレルン橋をケルン大聖堂
から眺めた風景。         
ホーエンツォレルン橋はケルン中央駅に接するように
あって、ホームから眺めると実に迫力がある。   

ICE

 鉄道先進国が集まる欧州では、在来線そのものが日本よりも高規格に出来上がっていたために、高速列車のためだけに別線を造る必要がなかったので、新幹線はどこの駅にでも自由に出入りができる。これは開発が進んだ大都市に新幹線を通すために新駅や新路線を造る必要がないだけに経済的なシステムである。シュタットバーンにせよICEにせよ、既存の社会インフラを最大限に活用できることは、地面の深く深くまで掘り抜いて新路線を造らなければならなかったり、完成までに何十年も掛けなければならなかったりする日本と比べて、圧倒的に有利と言える。
 地方路線についても同様のことが言える。長崎新幹線は、建設コストを下げるために線路幅の異なる在来線と新幹線をつなぎ合わせ、そこに車輪の幅が変更可能なフリーゲージトレインを走らせようとしているが、開発に手こずり実現が危ぶまれている。その点電化されている限りICEは原則としてどこへでも行くことが可能だ。最近では気動車仕様のICE-TDが登場し、非電化区間にも行けるようになった。その結果、ドイツの国土全体にICEネットワークが張り巡らされている。

フランクフルト行きのICE3。日本の新幹線と同じよう
に電気機関車を使わない電車タイプ。       

縦型のヘッドライトは九州新幹線に似ている。

5番線はICE3のフランクフルト行き。4番線ハノーファー
経由ベルリン行きはまだ到着していない。      

レギオナル・エクスプレス

 電気機関車が牽引と推進を兼ねるドイツの鉄道は、密着式の連結器の性能がよいこともあって、静かで揺れが少なく、実に乗り心地がよい。路盤の貧弱な日本では決して真似ができない。揺れという点では日本の新幹線は素晴らしいが、モーター音は何とかならないかと思う。鉄道やアウトバーンなどは、どうしてもドイツ贔屓になってしまう。

快速列車の入線。
快速列車の最後尾は、制御室付の客車。帰りは
ここに機関士が乗り、電気機関車に押されて戻
ってくる。                

電車型の快速列車

シュタットバーン

 切符は車内に設置された自動販売機で購入する。ところがあいにく販売機が故障中。運転席まで遠く、すぐに下車しなくてはならなかったので、コインを握りしめたまま降りてしまった。無賃乗車は高額の罰金を取られる。悪気はないものの、冷や汗ものの乗車であった。

(2016/8/3乗車)

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