その典型が北海道だった。
1983年8月時刻表より
————————————————————————————————————
21:33→48(小樽回り)→05:01
23:15→すずらん62号→06:12
札幌 函館
06:04←すずらん61号←23:35
06:51←41(小樽回り)←23:51
————————————————————————————————————
22:10→まりも3号→06:15 06:24→ノサップ1号→08:54
札幌 釧路 根室
06:25←まりも4号←22:35 22:30← 274D ←19:36
————————————————————————————————————
22:15→大 雪 5号→07:26
札幌 網走
06:15←大 雪 6号←21:14
————————————————————————————————————
21:25→利 尻→06:22
札幌 稚内
05:56←利 尻←21:00
————————————————————————————————————
札幌を21時から23時に出発し、目的地には6時から8時に到着するという無駄のないダイアであった。北海道の主要都市が夜行急行で結ばれているおかげで、宗谷・知床・納沙布・阿寒・摩周・函館などの道北・道東・道南は、宿泊代を浮かしながら旅することが可能だった。日中は見学先で過ごし、夜になれば一日おきに札幌に戻ってくる。札幌周辺では市内見学はもちろんのこと、小樽や積丹半島に足を伸ばせばよい。実に便利な夜行列車だったが、盲点は道央で、80年代に入って人気が高まる富良野や大雪山系は行きづらい(宿泊代にお金が掛かる)場所の一つであった。
急行はまなす
青森発 |
————————————————————————————————————
22:00→はまなす→02:52/03:22→はまなす→05:39
札幌 函館 青森
06:07←はまなす←01:23/01:00←はまなす←22:42
————————————————————————————————————
さて、今回の北海道乗り尽くしの旅は、札沼線や留萌本線、石勝線の枝線などに乗ることが目的で、終着駅を訪ねる旅でもある。北海道への第一歩として、時間の有効利用からはまなすを選んだ。
急行はまなすのエンブレム |
さっそく酒宴。今日の日本酒は弘前六花酒造の吟醸酒じょっぱりと龍飛。じょっぱりは頑固者の意味だそうで、水は白神山地の伏流水を使っているという。龍飛の方は文字通り竜飛岬の水。摘みは、やはり土地の名産、ほたて十万石という笹かまぼこで、ほたて、むきえび入り。あっという間に出来上がって、そのまますぐに寝入ってしまった。函館停車で一度目覚めたが、そのあとは5:15の車内放送までぐっすりだ。
朝もやの中を走る |
札幌着 |
【編成】
スハネフ14 551+オハネ24 501+オハネフ25 3+スハフ14 555+…
朝食はキオスクで済ます。とうきびおにぎり、野菜ジュース、キウィヨーグルト。”大通公園名物”と銘打ったおにぎりは、だいぶ期待はずれだった。甘辛たれはベトベト、コーンはぽろぽろ。やはりおにぎりはさっぱしてないとね。”名物”に騙されてはいけない!
学園都市線と呼ばれる札沼線
札沼線の名称は札幌と石狩沼田を結ぶ路線として開業したことに由来するが、昭和40年代に新十津川・石狩沼田間が廃止となってしまい、実情に合わない線路名となっていることもあって、近年は学園都市線の名前で親しまれている。しかし、その名前も北海道医療大学駅までがぴったりで、電化されて通勤通学電車が通うのもここまでだ。
札幌にて クハ731 205 |
さて、ここからが旅の始まり。電化されて比較的本数が多いのは一つ先の北海道医療大学なのだが、この地域の主要駅はここ石狩当別である。ここから終点新十津川まで走る列車は一日わずかに3本、朝・昼・夕だけしかない。途中の浦臼まではあと3本あり、要するに札沼線末端はローカル線以上の閑散路線なのである。
石狩当別7:51発新十津川行気動車が接続するのだが、これが大混乱なのだ。先ほどの通勤電車からこの1両編成気動車にほとんどの人が乗り込むので超満員。乗客の半数は1駅めの北海道医療大学で降りるが、それでも通路やデッキは高校生でいっぱいだ。せめて2両編成にすればいいのにと思うが、通学定期相手にはサービス無用と考えているのだろうか。ようやくガラガラになったのは、石狩月形でDK(男子高校生)JK(女子高校生)が下車してからだった。30分以上満員で揺られていたことになる。
ローカルな札沼線
石狩月形にて キハ40 401 |
石狩月形に交換列車が接近する |
ピンネシリ方面を眺める |
先は廃線。建物が建っている |
終点新十津川には9:28到着。線路前方遥か先に車止めがあり、その向こうには2階建ての集合住宅が立ち塞がっている。どうしてここが終点なのか、その根拠は曖昧に違いない。かつてはこの先があったくらいだから、駅は途中駅の作りだ。終着駅とは言ってもその風情があるわけではない。
ホームに降りると、なにやら賑やかだ。地元の幼稚園児が可愛い浴衣に着替えてよさこいソーランで出迎えてくれていたのである。列車はこの先昼まで来ないから、この列車のためにわざわざ踊ってくれているのだ。ただのおじさんとしては、望外の出迎えにいささか照れるが、嬉しくなった。ここへ来て良かったと思う。園児の踊りや到着した列車をテレビカメラが追っていた。HBCのロゴが見える。趣味に現を抜かしている姿など撮られたくないから、ホームの先までそおっと歩き、小さな駅舎を通らずに、新十津川の駅前にでる。
花で飾られた駅舎 |
地図を見ると、ここから滝川の駅までは石狩川を隔ててほんの近い位置にある。歩けない距離ではないだろうと高を括っていたら、だだっ広い北海道の風景は歩いても歩いても変化に乏しく、思いの外時間がかかった。炎天下、早足で50分歩かされた。
新十津川 9:37<歩き>10:26 滝川
0 件のコメント:
コメントを投稿